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A leaf in a bottle

とある精神疾患者の日常

過剰な支援

前回元施設長のことを書いたので、今回その1件について詳しく書いてみます。

元施設長Nは障がい者の女性A恵と不適切な関係にありました。彼と彼女は遠い親戚に当たるようなのですが、昔から彼女が怒ると慌てて謝るというようなところは割とあるなと感じていました。ところが、いつの頃からか、二人の関係がおかしくなっていきました。

彼女は作業所の中にしゃべる人があまりいないからか、Nに対して異様に接近するようになりました。Nが割と面白い話をするので、自分を楽しませてくれる人と思ったのでしょうか。逆にNはA恵にせっせと声かけをするようになりました。「A恵ちゃん大丈夫? しんどくない?」「頑張ろうな」。これを彼女と顔を合わせるたびにやっていました。何回も何回も。

その声かけはもちろんA恵にしかしません。他の人にも毎回しているならまだ分かりますが、他の人には思いついたときにしかしませんでした。そして会議のときに通るという理由で彼女を家まで送っていくことがたびたびありました。他の人を送っていくことはほとんどありません。

何かおかしいという風な話が度々メンバーから出るようになりました。それを気にして他のスタッフや私がNに注意したりするのですが、「分かった。平等にする」という風に言いつつ、一向に行動を変えようとしません。

Nには神経症にあたる症状があります。もちろんそれは業務には支障を来さないものなのでしょう。しかし、A恵が無意識にでもNを自分の保護者に仕立てたとき、二人の関係は病的なものになりました。Nはメンバーを公平に扱うということを忘れ、彼女と二者関係になることに応じたのです。

退職する前は彼女のことが気になってしょうがないみたいでした。もう見ているのも嫌でした。

NとA恵は、正しいかは分かりませんが、共依存の関係です。A恵は不安からかNを味方につけようと自分の側に取り込もうとし、Nは彼女が気になって放っておけないので、あらゆる支援をしようとします。それが例え過剰なことでも。

もう一度繰り返しますが、Nは施設長でした。つまりスタッフ、それも責任者です。職員がこんなことをしてくれたら、他のメンバーが不満に思わないはずがありません。経緯はともあれ、解雇されたのと同じ形で離職することになりました。

Nは市役所からも注意されていました。他の作業所から二人の異様な関係を告発されたためです。私の通う作業所からではなかったというのが皮肉な話でした。

Nはもう完全な病気です。職員としてやっていくには無理がありました。ちょっとでも自分のやっていることに自問自答していれば違ったのかもしれませんが。楽観的で場当たり的な性格だったためか、そのことにまで頭が回らなかったみたいです。

NやA恵の二者関係はNが施設をやめた後も続くのですが、長くなるのでこのへんにしておきます。