A leaf in a bottle

とある精神疾患者の日常

芸術の才能は微妙

障がい者の中には芸術の分野で才能を開花させる人がいます。絵や書などが注目されることが多いですね。私の通っている作業所では目立って天才という人はいませんが、それでも何回か表彰されたという人ならいます。

その人は絵を描くのが割と上手で、小さい頃は何らかのコンクールで賞をもらったと言います。否定的に見ると、そうずば抜けて絵が上手という印象はありませんが、見た物の雰囲気を割とうまくつかんで絵にしているとは思います。私が必死で本物と輪郭を似せようと線を描き直し描き直ししている間に一枚仕上げてしまうぐらい早いです。

スタッフにも絵の上手な人がいて、置いてある人形を結構そっくりに描いていて驚きました。その人はあまり美術に興味がないと言いますが、私からすれば逆立ちしてもこんな絵は描けないと思うくらい。うまく形をとらえていると感心しきり。

実を言うと、私もその人たちに絵が上手だと褒められたことがありますが、その褒め言葉、あんまり信用していません。絵が下手だというのは何となく自分で分かるのです。私は写真みたいにきれいに描こうとしてかなり絵が不格好になるため、絵は専ら静物画で、しかも簡単な幾何学図形で構成されたような物しか描きません。

私のスケッチブックには丸や四角で描けるような絵ばかり。型にはまった人間なのか、その絵には何の芸術的センスもありません。もう今はありませんが、講談社フェーマススクールのコンクールに2度応募し、2度とも落選。手紙が来て、芸術的なセンスを感じさせます云々のことを書いてありましたが、他の送った人に聞いたらこちらも来たと言われ、何だかがっかりしました。誰でもよかったのかな。

書の方もさっぱりです。私の字は一応きれいなように見えるらしいですが、文章作成ソフトの教科書体のフォントを若干不安定に書いたような感じ。書道経験者が書くような草書はもちろんのこと、楷書ですら私にはとても書けません。書道を習っている人に聞いたら書道教室に通っている生徒の方がきれいだとはっきり言われました。

地域活動支援センターで○○さんは書道もできるしピアノもできるしどうやっても勝てないという発言を聞いたことがあります。その言葉、私にはよく分かります。芸術のセンスのある人はどこかでやっぱり私にないものを持っていて、私がどんなに必死で労力を尽くそうとも勝てない何かが存在するようです。そういった人には勝てないと本気で悔しい思いをしたこともあります。

まあそういった人たちもなかなか芸術家としてやっていくのは難しそうですが。私には到底真似できないそのセンスに嫉妬したりうらやましがったり。私にも芸術の才能があったらよかったのに。何が芸術なのかも結局分からないまま、難しいとただ嘆くだけなのが残念です。