A leaf in a bottle

とある精神疾患者の日常

やさしさ、ってなんぞや

私は作業所のスタッフと言い争いになったことがあります。それはとある女性メンバーさんとのことで。M貴さんは今はもう作業所を移っていていませんが、かつては私がいる作業所に通っていました。その彼女のことを、過去のスタッフの人たちは口をそろえて優しいと言っていました。

私は初めはそのことに何の違和感も感じなかったのですが、彼女の言動をよく知るようになってから、本当に彼女は優しいと言えるのだろうか、スタッフの評価に疑問を覚えるようになりました。

彼女は確かにおせっかいというほど他の人の世話を焼きたがっていました。それも自分の愛情を押しつけてというよりかは、他の人に手助けがいると信じている感じです。自然に他の人に自分が何をしたらいいか求めてしまう性分なのだと思います。優しさと言えばこれは確かに彼女の優しさだと思います。

ところが。彼女は一端不機嫌になると周りに関係なく当たり散らします。怒って誰かを罵倒することも少なくはありません。その間は過去のスタッフが彼女をなだめてもあまり効果はありませんでした。私も罵倒されたことがあります。彼女が開け放しておいたドアを閉めたとき、彼女がやってきて怒りました。誰が閉めた、勝手に閉めるなと。

こういう場面を過去のスタッフは病気だからと言っていました。病気の症状がそうさせるのだと。本当の彼女はとても優しいとも言っていました。確かに病気の錯乱状態ではそうかもしれませんが。過去のスタッフは病気の状態が出ている間は彼女は彼女ではないと言いたいのか、全て病気が悪いと言っていました。

私はそのことでスタッフと言い争いになりました。そうして結局言われたのは、あなたには分からない、あなたは彼女より優しさが足りないという、批判の言葉。私は病気の状態と正常との間を明確に分けることなど医者にもできないと言いましたが、そのスタッフは見ていればすぐに分かると断言しました。

他人に暴言を吐いて謝りもしないのは、たとえ根が優しくても迷惑なのに。周りのことを思いやる気持ちが「やさしさ」って言うものじゃないのか。その頃は怒りで頭がいっぱいでした。彼女は過去のスタッフに謝るときはありましたが、そのスタッフが気にしていないと言っていて、なぜスタッフが気にしていないと言ってしまえるのか、謎です。

彼女は家事手伝いをよくしているようです。親や兄弟にしてみれば、優しい女性なのでしょうか。私と過去のスタッフは「やさしさ」の中に違うものを見ていたのかもしれません。私はやさしさとは、周りの人を気遣えることだとイメージしていましたが、そうではないやさしさもあるのかもしれません。