A leaf in a bottle

とある精神疾患者の日常

金づかいが荒い人

作業所ではいろいろな人がいますが、人間関係がうまくやれない人ばかりではありません。中にはタイトルの通り、金銭的にルーズで破綻寸前の人もいます。今回はそういった人のひとり、M宏という男性にスポットを当ててみます。

M宏さんは生活保護を受けています。アパートを借りてひとり暮らしをしているようです。彼は割と社交的な方なので、特に人間関係で嫌われることは少ないのですが。特筆すべきはその金づかいの荒さ。10万もするスマホを買ってみたり、バッグ、ジャケット、ゲームなどを頻繁に買いあさっています。

スマホの利用料は2万や3万ほども。通話料・通信料に加え、キャリア決済で通販の商品を購入しているからだそうです。最初聞いたときは冗談かと思いました。でものきなみ数万に達しているようで、しょっちゅう金がない、金欠だと言っています。そのせいか、時々電気や水道、ガスなんかを止められることがあるようです。

もう一度書きますが、彼は生活保護です。散財している金は全て税金から出ています。そしてその保護費があってもなお、彼は生活資金に困っています。買いたいものを買いまくって、手元に全然残らないのです。

金銭的に厳しくなったとき、彼はどうするか。手当たり次第、知人に借りまくっています。そうして保護費や年金でそれを返し、足りなくなってまた借り……。今は保護費が出たその日に借金を返してすっからかんになると恐ろしいことを言っています。

もちろん、作業所のスタッフが注意しました。私も忠告しました。他のメンバーさんも、何度となく。でも本人に一向に改善する気がありません。保護費を役所の福祉課に預けたらと言っても、着服されるから嫌だ、とか妙なことを言います。

そんな彼の口癖は「死にたいわー」。以前書いたT和さんと全く同じ。この二人、付き合ってもいます。そしてひとりのときや暇なとき、彼は自分の中の幻聴と会話しています。ぶつぶつ言っているだけのときもありますし、「早く死ね!」と幻聴と口論しているときもあります。

どうしたのと聞いてみても、彼は「ひとり言」と答えるだけ。あとは散財したり道楽に走ったり、刹那的に楽しいことの中に生きています。

正直言って。彼とは会話しますし、悪い人だともあまり思いませんが。友達になりたいとは思いません。友達ならひと言言いたくなりますし、深い友人になれば金を借りに来るのが目に見えているからです。

彼がどういう病理なのか、私にはまったく分かりません。精神科医がM宏さんにしているのは対処療法で、早い話が薬の処方だけなんじゃないかなと思っています。彼の病理に効き目がある働きかけがされている印象は全くありません。

こういう人も、生きて暮らしてさえいれば全て良し、なんですかね。私は税金を払っていないので構いませんが、一般の人がM宏さんのことを聞いたらどう思うか。

病理は多種多様だ、ということを、この人を見てつくづくそう思います。