A leaf in a bottle

とある精神疾患者の日常

告白

私は作業所で自分が性的マイノリティーであることをカミングアウトしていません。なので普通の男性ということになっていますが。痩せてひょろひょろしているせいか、恋愛対象として見られることはほとんどないようです。

でも、予想もしませんでしたが、全くないというわけではありませんでした。性的マイノリティーのこの私に恋愛の告白をしてきた女性がいます。2人も。そのうちのひとりはすでに彼氏がいて、私を内緒の浮気相手みたいにしたかったようですが。

結論から言うと、どちらも丁重に断りました。女性に心が揺れない私に告白してきてどうしろって言うんだろ。まあ向こうはそんなこと何も知りませんので、普通に恋愛関係を打診してきたのでしょうけど。頼まれたからといって承諾してあげるほどお人よしではありません。

告白してきた2人はどちらも私が通っている作業所のメンバーです。なので断るのに「同じ作業所だと、もめたときに居づらくなるから」という理由をつけました。同じところに通っていると、ケンカしても嫌でも顔を合わせなくてはいけないので、そういったことはやめておきたい。という風に、やんわりと。

どちらもそれで一応納得してくれました。でも正直言うと、断ったのはそういう理由ではありません。この女性たち、片方は統合失調症で片方は双極性障害。心理的な問題が主な私と違って、精神に何かしら重い病態を抱えています。ひどい言い方ですが、付き合ったら彼女たちの世話をさせられそうだと思いました。

ちなみに、私を好きになった理由は、「かわいかったから」とか「頭が良くて何でもできるから」といったもの。何となく外の私だけに焦点があって、私が内の自分をさらけ出しても受け容れてもらえそうな気がしませんでした。

私は別に彼女たちに特別な何かをしてあげたわけではありません。ただ他の人たちと同じように親切にし、分からないことを教えてあげただけ。当たり障りのない対応はしましたが、好意的とは言い難いものです。

彼女たちが私の人間としての親切心をどこで勘違いしたのか、今となってはもう分かりません。2人とも来なくなりましたから。私が覚えているのは、告白されてこちらがしんどくなったことだけ。男性を演じることのできない私に男性としての役割を求められ、恐ろしくなりました。自分の内側に侵入して来られる恐怖も感じました。

誰かを支えることは、私にはできそうにありませんでした。

今はもう単なる笑い話です。今は前とは違い、女性に親切に尽くすことをやめました。何となく異性の目で見られそうなときは距離を取っています。自分がしんどくならないように防御しているわけです。

それにしても。親切だけで簡単に恋愛対象にされるということが、精神障がいには起こり得ます。心理学で言う転移かもしれません。少なくとも私の場合は。こんな私でも女性に対して影響力を持つということを初めて知りました。