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A leaf in a bottle

とある精神疾患者の日常

アンガーマネジメント

雑記

作業所で割と仲の良いT秀さん。私にも親しく接してくれて、いつも笑いをとろうと一生懸命になってくれる人。本人の自己評価はあまり高くはないようですが、どこどなく憎めないかわいい人です。

そんな彼にも困った部分は存在します。それは怒りの解体が下手なこと。一度不満を持って怒りが湧いてきてしまうと、なかなか収まりません。そうして抱え続けた結果、爆発して怒りをぶちまけます。普段との温度差に周囲は戸惑うこともあります。

私も怒りを感じると後後まで引きずるタイプで、あまり簡単に気持ちを切り替えられる方ではありませんが、彼は私よりもはるかに怒りへの執着度がきついです。相手がしてきたことに対して怒った場合、その相手を殴ってやりたいとか椅子を投げつけたいとか暴力的な衝動をちらつかせます。

今は施設長が違い、謹慎にさせられるかもしれないのでやりませんが、以前の施設長のときは、怒ってどんぶり鉢を床に投げつけたり、皿を投げて割ったりすることが何度かありました。そうすることによって怒りの表現をしている気がします。

そして一度怒ったことに関してはいつまでも根に持っていて、怒りが再燃したり、怒りの相手をかなり悪く言ってきます。ひどいときには何か月かたっても怒ったままであることも。

怒りを解体することが下手なので、解体されないままの怒りがずっと残っているのだと思います。そこから意識をそらすことが彼にはなかなかできません。怒りがたまりたまって爆発するたびに、彼は死にたいと言います。銃で頭を撃ちたいとか。本気でそうしたいとは私は思っていませんが。

怒るということは当然相手の方が悪いと思っているわけで。時にはT秀さんも似たようなものなのにと思うこともあります。でも彼は怒ってしまうと、もしかしたら自分も同じかもという自制の声を聞くことができません。彼の中にあるのは、怒りと、怒る自分の正当性と、怒りのぶつけ方しか存在していないような感じがします。

アンガーマネジメントが下手だね。私は時々彼にそう言います。怒りの対処もそうですが、怒りそのものの整理、片付けができないようだからです。でも、この言葉は直接彼に欠点を指摘する方法にはならず、彼は私にこう言われても多分ピンときていないでしょう。

大抵の人は怒ったとしても、ある程度のアンガーマネジメント能力を発揮し、暴力や傷害やその他相手を傷つける言動には至らないものですが、彼にはその調整力が欠けています。自分の内界や頭の中にしか存在しない妄想の世界の中にいた彼には、そういった現実面での冷静な検討は働きにくいのかもしれません。

彼が怒りを感じたとき、私はどうしてあげたらいいか。おそらく何かしようとしてもあまり意味はないと思いますが。怒りを尊重するか、現実的な検討をするよう忠告するか。彼の方が年上なので、私が加えようとする影響が彼にとっては不愉快なことかもしれません。

長くなりました。このことはまた考えてみることにします。