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A leaf in a bottle

とある精神疾患者の日常

アウティング

一橋大学LGBTの男子学生が自殺したというニュースをポータルサイトで見ました。アウティング(outing)っていう言葉は知らなかったのですが、自分の性に関する秘密を暴露されてしまったことがひとつの原因と言われています。

他人事じゃないです。私も親しい人に誰かがアウティングしたらと思うと、とても恐ろしいです。でも、私の場合は隠しておけるほど男としての資質や男らしさが悲しいくらいになくて。家の近所ではアウティング状態。

私を見るなり走って逃げたり、親にひそひそ話をして私の性的なことを暴露したり、家の近所でここの家に住んでいると他の子に教えたり。いろいろなことをされました。

死にたいって思わないわけにはいかなくて。男子学生の気持ちは痛いほどよく分かるのですが。私は━━死ねるほどの勇気もないです。

 

私と男子学生とが違うところは、きっと彼は普通に見たら男だということ。だから告白した人に自分からカミングアウトするまでは、多分誰も知らなかったと思います。私が気持ち悪がられて友達がいないのに対して、彼はきっと友達が何人かいたと思います。

アウティングがその人を追い詰めるのは、自分が経験して分かっています。私もどこかで死んでいたかもしれませんし。自分が他人とは異質な性別だと知られたとき、どんな恐怖がよぎったのか、少し自分と重なって見えました。

普通に生活することが、こんなにも難しいんですね。LGBTの人だって普通に生きているのに。普通の人と違うことがそんなにも気持ち悪いものかな。

 

彼は生きることを諦めてしまいました。私も他の人とつながることを諦めました。どこかでアウティングされるかもしれないので、もしかしたらここを去らなければいけないかもしれないという怖さはいつもついて回ります。

これが現実、という感じです。LGBTに対する理解を期待してはいけないかな。でも、それなら私も同じようにアウティングに対して理解はしません。男子学生のことをアウティングした人や、それを擁護する人には同じような目に遭ってほしい。

LGBTで苦しんでいる人はその人自身だと思います。

 

一橋大学は、男子学生の性が治療によって治るとか思ってたんでしょうか。治療によって治すべきものなのか、疑問に思います。私のクリニックでも、男に戻るための治療をしてもらったことはありません。

最後は、こういう性だと自分で受け容れることしかありませんし、受け容れてくれる人を探すしかないんでしょうね。でも受け容れてくれたと思った人が突然アウティングで距離を開けようとしてきたりすることもあるし。

答えはありません。何がいいのか、私も誰かに教えてもらいたいくらい。

 

ご冥福をお祈りいたします。