A leaf in a bottle

とある精神疾患者の日常

去る日

いつかこういう日がくるとは思っていましたが。この日はあっけなくやってきてしまいました。

先日、作業所を退所しました。利用契約を解除したということです。かれこれ10年近く、この作業所は私の居場所だったのに。

帰りに持ってきたのは、わずかにコップとスリッパのみ。思い出の品など何もなく、ただこの2つを袋に入れて出てきました。

施設長や他のスタッフとの別れも簡単なもの。「それでは失礼します」という一言のみ。お別れの握手などということもなく、本当に簡単な終わりでした。

帰り道は涙ひとつも出てこないし、明るくもないし。何を思っていたのか自分でも不思議な感じ。ただ、もうこの作業所には行けないんだという事実と、こんな数えるほどもない所持品だけで今まで過ごした居場所を出てきたんだ、というやるせない気持ちをぼんやり繰り返していました。

正直、もっと声を上げたかったのに。施設長にやり方が間違っていると面と向かってぶつけてやりたかった。でも健常者が障がい者を扱う感情というのは、この人も例に漏れず、単なる管理される対象のひとりというだけ。結局は無駄になったと思います。

誰かに助けてほしかったし、市や国にも入って施設長の主張する正当性を壊してほしかった。でもその誰かはいませんでした。

今手元には何も残っていません。メンバーの人たちにもやめることを黙って出てきましたし。作業所を出てきた途端、それまでのつながりも切れてしまいました。

ここまできたら、A型にはちゃんと行きますよ。お金のために。少々のことは我慢しても十分お釣りがくるでしょう。

でも──結局私は何を望んでたのかな。何が欲しかったんだろう。居場所、人間関係、自信。社会の戦力外無価値主義から守られながら、生きるのに困難を抱える人と生活し、何だかとても安心していました。

本当のところ、私よりできない人はいくらでもいましたし、それでも笑って生きている姿を見て、そんなに自分ができないことを気にする必要もないと思えて楽になりました。とてもありがたいことでした。

この先、A型でうまくやっていけるかな。

寂しいから立ち止まらないようにします。